"カノン"とは

音楽で言うカノンとは、主題に対する応答が一定の法則に基づいて厳格に模倣しつつ進む対位法的な楽曲のことを指します。最も一般的なものが、「パッヘルベルのカノン」や「かえるの歌」の形式であり、輪唱ということになります。その他にもいろいろな種類の形式のカノンがありますが、その詳しい種類は次の章の「カノンの種類」でお話しいたします。

"カノン"は、日本語訳では「追復曲(ついふくきょく)」または「追走曲(ついそうきょく)」といいます。また、英語表記では「Canon」、ドイツ語表記では「Kanon」、イタリア語表記では「canone」となります。

カノンという言葉の意味としては色々あり、各種の辞書によると以下のような意味があるようです。

カノンという言葉は、元々ギリシア語 kanon で、基準、規則などを意味します。「人体などの美的比例」というのは、"ゴールデンカノン"と呼ばれている、例えば目と目の間隔が何対何なら最も美しい整った顔になる、と言う黄金比率のことだと思われます。「数学の一般解」も標準や規範という意味でしょうし、「聖典関連」も基準・規範と言うことでしょうか。

しかし、こうやって並べてみると、どうも教会の聖典関連を表す言葉として使われることが多いようですね。パッヘルベルも教会のオルガン奏者ですから、その辺の言葉的なことも含めたのかもしれませんね。

ちなみに『大砲』は、英語は「Cannon」、ドイツ語は「Kanone」となるため、全然別物です。

参考資料:
広辞苑/岩波書店
アポロン独和辞典/同学社
ヤングジーニアス英和辞典/大修館書店
クラシック音楽作品名辞典/三省堂
新音楽辞典〔楽語〕/音楽之友社


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