カノンの種類
カノンとは、主題に対する応答が一定の法則に基づいて厳格に模倣しつつ進む対位法的な楽曲のことを指す。その一定の法則というのが、以下のものです。
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平行カノン (順行カノン)
- 最も一般的なカノンで、「パッヘルベルのカノン」や「かえるの歌」、「静かな湖畔」などのいわゆる輪唱の形式です。単に"カノン"と言ったときは、この形式を差すことが多いです。後に続く応答の旋律が、先の旋律をそのまま模倣して演奏します。5度、8度分の音程が上下したものが模倣される場合もあります。
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回転カノン (反行カノン)
- 後に続く応答の旋律が、先の旋律の上下ひっくり返したような演奏になります。例えば、先の旋律が“ファソラシド~~”と奏でられたのなら、後に続く応答の旋律は、“ミレドシラ~~”などといった風になります。
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逆行カノン
- 後に続く応答の旋律が、先の旋律の後ろから前に逆回しような演奏になります。例えば、先の旋律が“ファソラシド~~”と奏でられたのなら、後に続く応答の旋律は、“ド~~シラドファ”といった風になります。
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拡大カノン
- 後に続く応答の旋律が、先の旋律の音符の長さを何倍かに伸ばしたような演奏になります。例えば、先の旋律が“ファソラシド~~”と奏でられたのなら、後に続く応答の旋律は、“ファ~ソ~ラ~シ~ド~~~~”といった風になります。
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縮小カノン
- 拡大カノンとはまったく正反対の形式で、後に続く応答の旋律が、先の旋律の音符の長さを何分の一かに縮めたような演奏になります。
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群カノン
- 先の旋律と、後に続く応答の旋律のペアが複数対ある演奏形式です。つまり、カノン自体が二重や三重になっています。そのペアの数によって、二重カノンとか、三重カノンとも呼ばれます。
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有限カノン
- 演奏の最後で、コーダに飛んで曲が終止するカノンです。
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無限カノン (循環カノン,永久カノン)
- 演奏が最後まで行くとまた何度も始めから演奏される続ける終わらないカノンです。
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圏状カノン
- 一回模倣する度に次第に高く転調していくカノンです。
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混合カノン
- カノン形式の演奏にその模倣に加わらない旋律が存在するカノンです。伴奏的なパートはこれには含めないようです。
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謎カノン
- 旋律の模倣の方法を、楽譜に不可思議な文字や記号によって示した謎のカノンです。(^^;;;
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※ 補足
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参考資料: